にこさうんど逮捕で考えるサイト利用規約の意味と効力。
にこさうんどとは、ニコニコ動画の音声部分をMP3としてダウンロード出来るサイトでした。
この機能の事を今出回っているニュースではこのように表現されています
「JASRACが著作権を管理する楽曲の音楽ファイルを不特定多数の者にダウンロードさせていたサイト」
そして、今回の容疑ですが
「著作権法違反の疑いで逮捕」
です。
規約で禁止していなかったのか
ちょっと気になる部分がありました。というのは、にこさうんどのサイトには確か著作権法違反する使い方はしないでくださいという旨が示されていたと思います。
waybackから見てみると、こうありました。
確かに
「著作権物の変換・抽出を行うことの無いようお願い致します」
とあります。
運営側は禁止していても事実上著作権法に反する使い方もされてますよね
という事だと思うのですが・・・
そもそも、サイトの利用規約の存在意義って何でしょう。
利用規約はサイト側を守る事が出来ないのでしょうか?
にこさうんどの場合、「利用上の注意」だったのが問題なのでしょうか。
利用規約の意味と適用範囲は?
まず、利用規約が法律上有効になるためには利用者が同意する必要があるそうです。
にこさうんどにはこれがありませんでした。
例えばYoutubeであれば、アップロード時に同意する選択や、著作権コンテンツではない事を利用者が認める選択肢が表示されたと思います。
そういう利用者の同意アクション無しには利用規約は
サイトを守る意味を持たないのです。
また、利用者が同意したとしても、
利用規約の内容によっては、契約が無効になる場合があるそうです。
たとえ、契約上にこさうんどが責任を負わないという事になっていたとしても
例えば、「公序良俗に反する」と判断されればその契約は無効となります。
利用規約はサイトを守る効力があるか?
上記の事実から考えると、利用規約でサイトを守れる効力とは極めて限定的です。特にこういったツール系のサイトの場合、別の対処法が必要に感じます。
システム自体ではなく、どのコンテンツが利用されるか、
それにより、著作権法に違反するかどうかが変わるはずです。
その意味ではWinny事件と同じ性質の事件です。
WInny事件が「著作権侵害のほう助」だったのに対し
にこさうんどは「著作権法違反の疑い」なのはなぜなのか
というのも気になるところです。
(もしかしてデスクトップツールなら幇助でサイト公開は違反なのか)
疑問は残りつつも、利用規約の意味と効力について考える機会になりました。